[医薬品] 「重要なリスク」の評価基準見直し、RMPに規定盛り込む 通知改訂

創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会(第9回 3/21)《厚生労働省》

2024年03月28日

医薬品製造販売後の安全性評価に関する厚生労働省の検討会は、「医薬品の製造販売後調査等の実施計画の策定に関する検討の進め方について」の通知を改訂することを了承した。リスクとベネフィットのバランスや公衆衛生への影響の観点から「重要なリスク」を評価し、結果とともに医薬品リスク管理計画(RMP)に規定することなどを盛り込む(資料7P参照)。
 
日本のRMPでは、医薬品との関連性が明らかになっているリスクが「重要な特定されたリスク」に設定され、追加の安全性監視活動として有効性や安全性を調べる使用成績調査などが頻繁に実施されている。使用成績調査が定型化され、漫然と実施されることで製薬企業や医療機関の負担増となる問題が生じている。
 
厚労省などが示した改訂案では、欧米で運用されている考え方を踏まえ、重要なリスクと評価された場合でも、適切な標準治療で対処可能なケースなど既存の情報でリスクの最小化ができる場合は、添付文書の作成や改訂、患者向け医薬品ガイドといった通常の安全性監視を行うものとする(資料5P参照)。
 
既存の情報でリスクの最小化が可能かどうかの判断がつかない場合は、リスクとベネフィットのバランスや公衆衛生への影響、リスクの最小化につながる検討すべき課題があるかを評価した上で、追加の安全性監視活動の要否を判断することとし、使用成績調査の適正運用を図る(資料7P参照)(資料8P参照)。
 
成川衛構成員(北里大学薬学部教授)は改訂案に賛同した上で、使用成績調査の定型化について「現行の通知は内容的によくできており、実際の市販後調査が内容に沿った形で実施されていないことが問題ではないか」と指摘。今回の改訂に当たっては「重要なリスクの特定や追加の安全性監視活動の判断が適切に行われるようにすることに留意しながら、今後議論していく必要がある」と述べた。

(資料公表日 2024-03-21/MC plus Daily)

添付ファイル

 P1~P8

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